辛い過去を「忘れたい」と思うことは、誰にでもある。
でも実は、忘れることよりも、「その経験があったからこそ今の自分がいる」と思えるようになる方が、ずっと楽になれる。
そのために大切なのは、「感動を形にすること」。
感動はあなたの中にあるもの
音楽を聴いて涙が出たことはあるだろうか?
そのとき、感動をくれたのは音楽そのものではない。音楽は、もともとあなたの中にあった感情を引き出す「着火剤」に過ぎない。
本当は、あなたの中にすでに「感動」がある。
それを自分の手で表現できたとき、過去の出来事さえも「自分の感動の結晶」として受け取れるようになる。
感動を形にする方法
感動を表現する方法は、人それぞれ違う。
• 音楽に心を動かされたなら、歌ってみたり、楽器で弾いてみたりする。
• デザインが好きなら、感動をアートやウェブデザインに落とし込む。
• 料理が好きなら、感動を込めた一皿を作る。
• 絵やネイルアート、文章にしてもいい。
大切なのは、ただ受け取るだけで終わらせないこと。
「すごいなぁ」と思うだけでなく、自分自身でその感動を形にしてみること。
「感動なんてしない」という人へ
「感動」と言われてもピンとこない人もいるかもしれない。
映画を観ても、音楽を聴いても、「別に何も感じない」「心が動かない」。
そういう人は、決して「心がない」わけではない。ただ、感覚が鈍っているだけ。
それはまるで、ずっと暗闇にいたせいで太陽の光がまぶしすぎて見えなくなっているようなもの。
不感症になってしまう原因は、大きく分けて2つある。
1. 感情を閉じ込めすぎた結果、感じる力が鈍った
過去に「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」と言われて育った人は、感情を抑えるクセがついてしまう。
その結果、何を見ても「何も感じない」状態になってしまう。
2. 刺激が強すぎるものに慣れてしまった
毎日スマホで短い動画を見続けたり、強烈な刺激のあるものばかりを摂取していると、心が鈍感になっていく。
小さな感動をキャッチする力が弱くなり、普通のものでは心が動かなくなってしまう。
「感じる力」を取り戻す方法
① 自分の感情を観察する
「感動」って、別に泣くことだけじゃない。
「お腹が空いた」「寒い」「ちょっとイライラする」——こういう小さな感覚も、すべて「感じる力」の一部。
だからまずは、自分の中にある小さな感情に気づくことから始めてみる。
「今、何かを感じてるかな?」と、少しだけ自分に意識を向けてみよう。
② 刺激を減らしてみる
何かを「感じない」状態のとき、実は逆に刺激を受けすぎていることが多い。
スマホやSNS、ゲーム、動画……こういった「強い刺激」から少し距離を取ってみると、本来の感覚が戻りやすくなる。
③ あえて、いつもと違うことをしてみる
普段と違う道を歩く、普段食べないものを食べてみる——こういう小さな変化が、鈍った感覚を呼び覚ますこともある。
「特別なこと」をする必要はない。ただ、ちょっとした変化を取り入れてみるだけでいい。
④ 「すごい」と思わなくても、何かを作ってみる
「感動なんてしないし、何も作る気が起きない」と思うかもしれない。
でも、それでもいいから「何か」をやってみる。
例えば、適当に線を描いてみる、適当に音を鳴らしてみる。
「意味がある・ない」を考えずに、ただ自分の手を動かしてみると、不思議と少しずつ「感じる力」が戻ってくる。
嫌な過去が宝物に変わる日
過去に苦しんだ人は、その経験を作品にすることで「誰かの光」になれる。
「こんなの意味があるのかな?」と思うかもしれない。
でも少しずつでも形にしていくと、「この経験があったからこそ、今の自分がいる」と思える瞬間が訪れる。
そのとき、辛い過去はただの痛みではなく、「人生の大切な一部」に変わる。
愚痴や怒りを「表現」に変える
過去の怒りや悲しみを、人にぶつけたり、愚痴として吐き出してしまうこともあるかもしれない。
でも、それだけで終わってしまうのは、あまりにももったいない。
あなたの中にある「怒り」や「憎しみ」、「悲しみ」は、本当はものすごく素晴らしいものを生み出せる力を持っている。
だからこそ、その感情を「本当に表現したい方法」で形にしてみてほしい。
それができたとき——
「誰といても孤独を感じる」「誰も自分をわかってくれない」という苦しみから、少しずつ解放されていく。
まとめ
嫌な過去を「忘れよう」とするのではなく、「その経験があったからこそ、今の私がいる」と思えることが大切。
そのためには、感動や衝動、怒り、悲しみ——ポジティブ・ネガティブすべての感情を、自分の手で形にすること。
それがあなたの知恵になりたくさんの豊かさや恩恵をもたらす。
それが、過去を「意味のあるもの」に変え、やがて「宝物」にしてくれる。
「でも、そもそも感動なんてしない……」と思う人もいるかもしれない。
そういうときは、まずは「感じる力」を取り戻すことから始めてみよう。
あなたの感動を形にすることで、過去を乗り越え、そして誰かの光になれる。
そのときはじめて許せない過去があってよかった。この人生でよかってって
心から思えるようになるのです。